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敷金って戻ってくるものなのか?

解約をするためには、まずあなたの今いるお部屋の契約書・重要事項説明書、またあるならば内装確認書・内部の写真を出してきましょう。契約時に一度目を通したこれらの書類がこれからの敷金精算についての交渉の基本の書類となります。簡単にいいますとこれらの書類が、オーナー様の言い分の根拠にもなりますし、こちらの主張の根拠ともなります。

何故これらのことが大切なのか?東京インターネット不動産を運営するプロに聞いてみましょう。

社長

北島社長

東京インターネット不動産社長。趣味はゴルフ。海で日焼けをし過ぎたせいか、かなり赤くはれている。

宮くん

宮本くん

不動産歴4年のバリバリの働き頭。最近車を買ったので乗り回している。毎週アクアラインを通行することを夢見ている。


原状回復について

まず、契約書の中で、内装に関する事柄については、赤ペンなどでマークして書き出してみましょう。原状回復と損害賠償についてとか、毀損滅失とか、自然磨耗や損耗などが敷金についての関係のあるところです。この中で重要なのが原状回復義務の原状についてとなります。

社長、原状とはどのような状態なんですか?

宮本くん、それが原状とはなかなか難しい状態だから、一言では言い表せないんだ。部屋っていうのは一日一日変化するので、磨耗したり通常の範囲内は汚れていって当然なんだよ。
つまりすごく日当たりのいい部屋の場合、昨日より今日の方が日焼けしてジュウタンなどが変色して当たり前ってことなんだ。また通常の使用で借主様が作ってしまった汚れなども原状の範囲内といえるんだ。もちろん掃除を全くしないなど放置するなんて厳禁だけどね。通常の使用の範囲内で出た自然損耗の結果の状態を原状と言うんだ。

へえーそうなんですか。ところで社長、原状への回復というのは誰の責任となるのですか?

そこがポイントなんだけれども、自然損耗と通常の汚れの範囲のものを直すことは、借主様ではなくオーナー様の負担なんだよ!もちろん通常以上の使用による破損やひどい汚損の原状回復に関しては借主様の責任となるんだけどね。
これは契約書に記載がないけれども、オーナー様の修繕義務というものなんだ。

そうなんですか。でも通常ってどこまでを言うんですかね?自分は通常の使用の範囲内だって思っても、オーナー様がそう思うとは限らないですよね。

そう、どこまでを通常の使用の範囲内かということを決めるのが問題なんだよ。
例えば、専業主婦(オーナー様)の方と男性の学生やサラリーマン(借主様)とではどうだろう。掃除の頻度も時間も違うよね。それが1年2年と蓄積されてくると大分差が出てきてしまうんだ。

なるほど。きちんと掃除をしていれば原状への回復はオーナー様の負担になるってことですね。

その通り。わかってきたじゃないか宮本くん。でも掃除をきちんとしていても借主様へ請求がくる場合もあるんだ。

えっ!?そんなことってあるんですか?また社長、からかわないでくださいよ。

それがあるんだよ。例えば、借主様がタバコを吸っていたとしよう。確かに掃除はきちんとしていても、長年吸い続けていたら壁は黄色く変色してしまうからね。オーナー様がタバコを吸わない人だったとしたら、退去後の部屋を見たらこれはひどいと思うだろうね。

社長、その場合って当然・・・

オーナー様は張替えを要求して来るだろうね。借主様からしてみたら「エッーなんでー??」と絶句することだろう。ひどい不動産屋に引っかかったと思うかもしれない。まあこの場合はタバコを吸っていたからだけれども、通常とはその人その人の生活環境や経験・立場・価値観などによって違うものなんだよね。通常というものが観念的で主観的なものなので、トラブルの元になってしまうんだ。

じゃあ借りた人はオーナー様の言われるがままってことなんですかね。

あまりに敷金トラブルが多いため、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものが平成10年3月に旧建設省住宅局で作られたんだ。この中の、「設備等の経過年数と賃借人負担割合」というのが参考になるよ。

設備等の経過年数と貸借人負担割合

設備等の経過年数と賃借人負担割合

<この表の根拠は、昭和40年の大蔵省令による「減価償却資産の耐用年数に関する省令」を参考にしております>

入居時の状態と賃借人負担割合

入居時の状態と賃借人負担割合

上の図にあるように新築時でない場合、出発点を左方にシフトししてね。 この場合オーナー様もしくは管理会社と借主様が、クロスやジュウタンがどの時点になるのかということを確認しておくことが重要なんだよ。

お互いに認識が違うってこともありますからね。

また内装には経過年数の考え方が馴染まないものもあるよ。例えば、フローリングは一応傷を付けなければかなり長期に使えるから、この償却資産として考えずに傷を付けたら相応の修理代を負担することになるんだ。また、ふすまや障子・畳表なども消耗品としての性格が強く、傷を付けた分の修理代を負担することになるからね。

へえー。じゃあフローリングってあまり適当には扱えないんですね。カーペットの方が楽かなあ・・・。

カーペットの場合、しみやこげ跡があったら張り替えになるよ。でもクロスを張り替える場合は、毀損部分の最小の単位に限定し、可能な限り少なく補修することが基本だな。しかし、穴があいている部分だけを張り替えるってことはないよね。そんなことをしたら、他の部分と見かけが変わって不自然になってしまうからね。だから、その場合全面張り替えることになるけど、でも借主様が全てを負担する必要はないんだ。あくまで張り替える必要がある部分だけの負担となるんだ。まあ細かいことは交渉となるだろうね。

いやー、いろいろと勉強になりますね。早く宅建の資格をとろおっと。

特約について

ところで社長、よく聞く「特約」ってなんなんですか?特別のお約束?特に守ってもらいたい取り決め・・・かなあ。よくありますよね。

宮本くん、いいところに気付いたねえ。「特約」ってよくあるよね。でもねえ、宮本くん。契約書に書いてあることって法律の条文みたいだけど、あれって全てが日本の法律にのっとて作られてる訳ではないんだよ。ここだけの話、実は合法の部分と違法の部分があるんだ。

えっ!?どういうことです?

例えば、良くある条文で「1ヶ月滞納したら即時解約の意志表示とする」ってあるよね。これなんか書いてない契約書はないってくらいの文だけど、でも実はこれ違法な部分もあるんだよ。まあ日本の法律には数々の矛盾点があるから民法上は正しいんだけど、借主様を守る借地借家法上はダメなんだよね。結論から言うと、法律上は即時解約の意志表示ではないんだ。ホントだよ。これは不動屋さんもオーナー様もみんな知ってるんだけどね。こう書くと不動産さんのイメージが悪くなっちゃうかなあ。

そうだったんだ・・・。不動産屋に勤めていて知らなかったですよ。

困るなあ、宮本くん・・・。もっと勉強しておいてくれよ。
じゃあ何故そんなことが書いてあるのかというと…あくまで抑止力としてなんだ。「滞納はしたらいけない」「したら出てってもらうよ」ということなんだ。「滞納はしたらいけない」これは合法だよ。でも「即時解約の意志表示」というのは、民法上は合法だけど借地借家法上は違法になるんだよ。

へえー。合法だけど違法・・・微妙ですね。

そうなんだよ。難しいかな?

いえ、大丈夫です。もっとドンときてください。

おお!頼もしいねえ。それじゃあこれからが本番だよ。
今回の敷金の件についての「特約」ではどういう風に書かれているか?やはり契約書にはオーナー様とその物件を管理する管理会社に有利なように書かれているんだよね。これに関してはガイドラインからすると、原状回復義務を超えた一定の修繕義務を借主様に負わせることは可能なんだ。判例においては、一定範囲を超え賃借人負担とする特約は、単に賃貸人の修繕義務を免除する意味しかないんだ。

社長、ちょっといいですか?原状回復義務を超えた一定の修繕義務を借主様に負わせる〜のところから難しくなってきたんですが。もう頭がパンクしそうです。わかりやすく説明してください・・・。

ゴメンゴメン。ちょっと熱くなり過ぎたかな。かいつまんで言うと「特約」によって借主様が負担しないでいいことまで負担させることができてしまうんだ。例えば、カーペットの洋間において何も問題なく使用していたとします。退去時に特に張り替える必要がない状態だった。でも「退去時にカーペットを張り替える費用を負担しなければならない」という特約を結んでいたとするとどうなるかな?

それは・・・借主様がカーペットの張り替えの費用を負担することになりますね。

その通り!ここが問題になるんだよね。通常、経年変化によって張り替えなければならない場合、オーナー様の負担となるんだ。でもこの場合張り替える必要がなくても、借主様負担でできてしまうんだから張り替えるだろうね。そこが「単に賃貸人の修繕義務を免除する」ってことなんだ。

そんなあ。ずるいですね。

そうだよね。でもこれってあくまで「民法」上は合法ってだけなんだ。さっきも言ったとおり、「借地借家法上」は違法なんだよ。また、「特約」も次の点を満たしていなければ無効となるんだ。
(1)特約の必要性があり、かつ暴利でないなどの客観的・合理的な理由が存在すること
(2)特約により修繕義務を超えて修繕の義務を負うことに認識および意志表示をしていること

(2)ってその意思表示が契約書に判子を押すってことですよね。厳しいなあ。

そうだよ。だから契約書はきちんと内容を確認しないとダメなんだよ。また、(1)なんて物の書きようだからね。「当物件は近隣相場に比べ賃料・礼金を安価を設定してあるため、借主は期間にかかわらずハウスクリーニング費用は負担する」とかいくらでも言えるしね。

はああ・・・。契約って簡単なものじゃないんですね。

契約に関しては後から文句を言ってもはじまらないからね。最初が肝心だよ。部屋の状況がどうなっていたのかチェックリストを作ったり、写真を撮っておくことも必要だね。あと、チェックリストは自分だけで納得しないで、管理会社やオーナー様にも確認してもらっておいた方がいいかな。そこまでやっておけば後日トラブルになったときにも証拠になるからね。

あと、入居時・退去時の損耗の有無とその程度もチェックしといた方がいいですね。でも不動産の契約って面倒くさいから適当にしがちだけど、きちんとしないといけないですね。

そうだよ宮本くん。住むことにはこだわらないと。適当に済ませて後で困るのは借主様だからね。契約に関してわからないときはプロに頼むってのもひとつの手だよね。そのために東京インターネット不動産があるんだよ。がんばってくれよ。

はい、社長。

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